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金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
投稿者:施設相談員 投稿日:2004/01/26(Mon) 20:57
老人保健施設入所中の車椅子利用の介護1の方のケースです。
施設としては、在宅サービスを上手に使えば、独居ですが、市内の自宅への在宅復帰は可能と判断し、市外のご家族に伝えました。
ご家族としては、この方のことを「判断力がない。高額な買い物をしてしまい、
多額の借金を現在自分が支払っている。退所させないでほしい。」とおっしゃっています。
施設の医師は、「痴呆ではない。性格によるものだ。」と判断しています。
以前このご家族の依頼を受け、禁治産者の手続きのための診断書を書いたそうです。
もしこの方が禁治産者ということであれば、在宅復帰された場合、高額な買い物をすることが可能なのでしょうか。
もし禁治産者でないとすれば、ご家族が通帳や印鑑を管理した場合、それでもこの方が高額な買い物をしてしまうことはできるのでしょうか。
どなたか教えていただけないでしょうか。
Re:
金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
masa - 2004/01/26(Mon) 21:20
まずはじめに、禁治産者という言葉は、現在では差別用語に近い言葉として使われていないのでご了承ください。
つまり、平成11年に民法の一部が改正され、平成12年4月1日から「成年後見制度」として施行されました。これは禁治産という用語に社会的偏見が強く、関係者にも抵抗感があったことなどが理由にあります。ですから禁治産者及び準禁治産者制度を抜本的に改めた「法定後見制度」(補助・保佐・後見の制度)と新たに設けた「任意後見制度」が現行の制度と思います。
さて、そこで本ケースですが、在宅介護が可能という判断であれば、成年後見の対象は難しく、地域権利擁護事業の金銭管理を利用することが適しているケースと思えますがいかがでしょう?
もし成年後見の制度利用の対象ケースだと、インフォーマルな支援無しに居宅介護は非常に難しいと思います。家族後見で家族の支援可能であれば、高額の買い物などの問題はある程度防げるのですが、それ以前の問題が大きいのではないでしょか?
成年後見制度を利用すれば、ある程度高額の買い物の契約などは事後に取り消すことが出来ます。
つまり、成年後見においては、本人がした行為(高額な不必要な売買契約など)は取り消すことができるということです。
ただし日用品の購入等日常生活に関する行為については取り消すことができないとされています。しかし、このことは、後見の対象者には日常生活に関する行為をする能力があることを前提としたものではありません。すなわち、後見の対象者は、上記のとおり日常的に必要な買い物も自分ではできない程度の人ですが、本人の自己決定の尊重及びノーマライゼーション(障害のある人も家庭や地域で通
常の生活ができるような社会を作るという理念)から、法律はそこまで介入せず、日常生活に関する行為については取り消し得ないとしたものです。
Re:
金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
施設相談員 - 2004/01/26(Mon) 23:05
すいません。ドクターがその言葉を使ったので、成年後見以外にまだその制度が残っているのかと思ってしまいました。
成年後見制度の対象にはなれそうにないくらいの判断力を持っている(金銭感覚以外には)と私たちは見ています。
地域権利擁護事業が、通帳と印鑑を預かり、金銭を小分けにして渡すということであれば、それは市外のご家族に二週に一回通ってもらえばすむことだと思うのです。
買い物はヘルパーさんに頼んで、はじめからヘルパーさんにお金を預けてもよいと思っています。
この方法をとってもなおかつ訪問販売で高い買い物をしてしまう可能性というのはあるのかどうか、それがクリアされれば(その心配がないのであれば)、ご家族も在宅復帰にうんと言ってくださるのではないかと思うのですが。
Re:
金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
masa - 2004/01/27(Tue) 09:18
施設相談員さん、ひとつだけ注意してほしいことがあります。ヘルパーの金銭管理は、日曜生活品の買物などに限られた非常に限定されたものですので、拡大解釈は、別のトラブルを生む元になりますし、限られた扱いであっても、現場ではヘルパーと利用者や利用者の家族との間に金銭管理をめぐるトラブルは絶えません。このことを一つ十分注意される必要があろうかと思います。
これに関しては、こちら
http://www.wel.ne.jp/staff/kaigo/care/2002/05/care815.htm
制度掲示板の過去ログを参照しておいてください。
日用生活品のみの管理では、金銭管理能力に欠ける方が居宅生活を送る際はかなり困難があろうと思え、家族の協力が得られるなら、家族に、一部の協力なら、家族と地域権利擁護事業の併用という形が適しているように思います。しかし一旦契約したものの取り消しということになるとクーリングオフの制度を使うなど家族が常に関って気をつけていればある程度防げますが、そうでなければ成年後見制度という形でしか効力は発揮できないですね。しかしそれには対象となるかどうかかという問題も絡んできます。費用負担の問題もあるので家族と総合的に調整が必要です
Re:
金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
BOB - 2004/01/27(Tue) 09:54
masaさんが既に述べられておりますが、今回のケースは成年後見の申し立てが一番でしょうね。
ご存知の通り後見人・保佐人・補助人の3通りのどれかということになるのですが、今回は保佐人がつきそうなイメージで見ていました。昔の言葉で言う準禁治産者扱いということでしょう。
ご家族が保佐人ということでの審判が下りれば施設相談員さんの仰っていた心配はなくなるはずですが如何でしょうか。
ただ、ふと思ったんですが・・・
まさか介護度が低いから退所ということではないのでしょ?
Re:
金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
施設相談員 - 2004/01/27(Tue) 20:29
この方は、痴呆は殆どないのですが、もともとの性格からか、他入所者に攻撃的な言動があり、「韓国旅行に行く」等言ってみたりするので、施設としては、家に帰りたいことのストレスからくるのだろうと判断したわけです。
(今日も「本当に帰りたいんですか?」と聞くと、「帰りたい」というお返事でした。
本人が施設にいたいとおっしゃれば、施設としては、いてくださってもよいのですが。
Re:
金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
BOB - 2004/01/27(Tue)
22:19
んんん・・・。
そうであればやはり後見開始の申し立てをした方がいいかもしれませんね。
何も痴呆だから後見ということではなくて、過去であれば精神疾患についても申し立てをされていましたし、今でも同様です。
ちょっと回りの環境を見回してみて判断されるといいでしょうね。
Re:
金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
智 - 2004/01/28(Wed) 04:07
私も老健に勤めています。同じように在宅復帰が可能と判断した入所者の方でもなかなか退所できなかったり、他の老健へ移られた方もいます。自分たちの力がまだまだ足りないのだと反省させられます。施設相談員さんの困っている状況も想像できます。介護や看護スタッフと家族との間の板挟みになっているのでしょうか。
masaさんとBOBさんが丁寧に説明されていますが参考になるサイトを紹介しておきますね。
社団法人成年後見センター・リーガルサポート
(http://www.legal-support.or.jp/)
法務省サイトの成年後見制度のページ
(http://www.moj.go.jp/MINJI/minji17.html)
一つ気になった事があります。
>独居ですが、市内の自宅への在宅復帰は可能と判断し、
と言っているのに
> 本人が施設にいたいとおっしゃれば、
>施設としては、いてくださってもよいのですが。
と、これでは
>もともとの性格からか、他入所者に攻撃的な言動があり、
と言う点が問題となって、つまり手に負えないから在宅を進めているようにも受け取られかねません。そうではないですよね。
Re:
金銭管理のできない高齢者の在宅復帰について
施設相談員 - 2004/01/28(Wed)
22:48
智さん。ありがとうございます。成年後見のホームページ、見せていただきたいと思います。
入所者の中には他にも攻撃的な方がいらっしゃいます。が、痴呆の症状やADLが重度で在宅復帰が困難な方であれば退所にはなりませんし、他の方の場合、暴力の原因は他にあると判断をして、言葉かけを増やしたり、対応を考えていくことで軽減または消失していっています。
この方の場合、入所時よりレベルアップしていますし、年齢的にも若いし、だからこそ本人の帰りたい気持ちはもっともだと思うのです。
もし在宅生活を試してみて、その結果状態悪化したり支障が生じてくるようであれば、再入所を受けるつもりで、在宅復帰を応援したいと思っているのですが。
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