特別養護老人ホーム 緑風園

 (※解説6:身寄りのない入所者の遺留金品取り扱い:遺言がない場合)

本来であれば遺留金は逝去者の相続人に帰属します。しかし相続人がいない場合や存否が不明の場合には誰かが遺留金を管理することが必要になり、このような場合について法律は、相続財産を法人とみなし(民法951条)その管理のために家庭裁判所が相続財産管理人を選任することにしています(民法952条

さて措置施設の場合はもとより、介護老人福祉施設の場合においても、身寄りのない入所者が逝去し相続人がいない場合や存否が不明の場合には葬儀や納骨の費用を支弁した後の遺留金品はいったん市町村が歳入・歳出外現金として保管する扱いがとられます。(通常は施設所在地の市町村;東京都においては葬祭を執行する市町村と同一とする)

そこで施設は遺留金品を当該市町村に引き渡すこととなります。

市町村は被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に対し相続財産管理人の選任の申し立てを行ないます。申立権があるのは「利害関係人または検察官」とされていますので(
民法第952条)市町村の公務員は管轄裁判所に対応する検察庁に対し通知し(家事審判法7条、非訟事件手続法16条)検察官が財産相続管理人の選任申立を行ないます。もっとも当該市町村職員が利害関係人として申立を行なっても構わないとされています(昭和35.6.13民事甲1459民事局回答)なお利害関係人は例えば、相続債権者、特定遺贈の受遺者、特別縁故者、事務管理者等です。

申立を受けた家庭裁判所は、必須事項を調査したうえで、審判により相続財産管理人を選任します。
相続財産管理人は相続人の捜索の公告を行なうなど清算手続きに着手しますが最終的に残余の相続財産は国庫に帰属します(
民法第959条

このような流れの中で、施設が関与できるのは市町村に遺留金を引き渡す段階までというのが通常の流れとなります。ただし介護報酬以上に値する以上の献身的な努力をしたなどの特別な事情がある場合は法人としての施設も「特別縁故者」と認められ上記の申立を行なうことが可能な場合がありますが、通常は該当しないと考えられます。

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